レッズ・遠藤航「調子に乗っていたころ」と、見つけた学び
世代別の日本代表主将を務め、その言動もまじめ。そんな遠藤航の原点とは
・「海外、すぐ行けるんじゃないか?」
高校を卒業し、プロ契約をさせてもらってからは、トップチームですぐにスタメンに起用され、またU-19日本代表にも飛び級で選んでもらえるようになります。世代別の代表では、世界の選手と対戦することも多くありました。ブラジル代表やフランス代表といった強豪国が来日したり、オランダ遠征に行ったりと世界の選手と対峙する。海外の思いが募るにつれ……うん、いま思い出すと調子に乗っていましたね(笑)。
「海外、けっこうすぐにいけるんじゃないか?」
そう勘違いしてしまったのです。
この頃、曺監督からもよく怒られました。
「ちょっと試合に出ているからって調子に乗るなよ」
って。しかも、毎年言われていた(笑)。
頭のなかでは謙虚にしなければ、と思っていたのですが、振り返ってみれば「欲を丸出し」にしていて、「なにも恐れるものはない」くらいの感覚だったと思います。そういう感覚というのは、バランスが難しくて試合では自信を持って戦うべきだし、メンタリティとして重要だと思うんですけど……このときの僕は、プロとして考えたとき、本当の厳しさを全然知らないままだったと言えました(ちなみにこの自信のバランスはいまでもよく考えている部分です)。
ただ幸運だったのは、それを指摘してくれる曺監督がいたこと、そして――当時はものすごくショックだったのですが――アジアの戦いで一度ならず二度も負けてしまったことでした。
U-20ワールドカップへの出場、僕には二回のチャンスがありました。ひとつは飛び級で選出されていた2010年、もうひとつはキャプテンとして戦った2012年。一度目は韓国代表に、二度目はイラク代表に敗北を喫し、世界大会への道が閉ざされてしまいます。